転職 支援の途中過程
ファーストコンタクトには、電話や手紙、メ−ル、待ち伏せといったダイレクトコンタクトと、紹介者を介す場合とがある。
経験上、ダイレクトコンタクトの場合は、手紙・メール←電話←待ち伏せの順で成功率が高い。
ただ手紙、メ−ルは証拠が残り、禍根を残す可能性がゼロではないため、無難な方法といえば電話である。
会社に直接かけることもあれば、自宅にかけることもある。
ちなみに自宅の電話番号を調べたい場合は、有料のサービスを使って調べることもある。
もっとも、電話は一番断られやすいのも事実だ。
プロの我々でも、忙しい相手に電話をかけていきなり「ヘッドハンティングのお話なんですが・」と切り出せば、すかさず「結構です」と電話を切られてしまうことも多い。
なので、本当に大事な人には、最初に電話を使わず、手紙でアプローチすることが多い。
下手でもいい、手書きの手紙を自宅に出向いて郵便受けに入れて来るといった足あとを何回か残すと、相手の心を動かせることもあるものだ。
待ち伏せは研究者など、なかなか接触の難しい相手に対して使う方法だ。
実際に、研究所や工場などに入って、候補者に直接コンタクトをとることもある。
人の出入りが多いところは、堂々と入っていくと案外怪しまれないもの。
プロのヘッドハンターは守衛所で堂々と面会名簿に自分の名前を書き、「来訪者」のパッヂを受け取って候補者の部署の間近まで行って内線で相手を呼び出すこともある。
私もなかなか連絡のつかないある候補者に会うために、彼が勤務している工場に出向き、来客用の白衣を着て現場まで行ってコンタクトに成功したことがある。
まあ、これはプロの技なので一般企業がまねをするのは難しいだろう。
こういう相手を採用したい場合は、プロに任せるのが無難である。
怪しまれないプロの電話のかけ方一般企業が見込み人材とファーストコンタクトを取るときには、無難なのは電話だろう。
特に相手が営業系の場合、相手も仕事柄、電話に慣れているので現実問題として、有効だ。
自宅の電話がわかれば自宅の方がかけやすいが、会社でもかまわない。
電話をかける際の第一のポイントは普段、仕事でかけている電話と同じようにふるまうことだ。
自分の取引先と思ってかければいい。
下手に調査会社などを装うとかえってあやしまれる。
つないでもらえるまでは、つき合いがあるような馴れ馴れしきで押し切ることだ。
もちろん、「どちらの**様ですか?」と聞き返されることもある。
この場合は「**と言ってもらえばわかります」と返せばいい。
さらに「どういうご用件ですか?」と聞かれたら、「以前@@社にいたときにお世話になりまして」などと返せばいい。
要は何か通常ありがちなことを言えばいいのである。
電話を受けた人間は取り次ぐ理由が必要なだけだから、何かしら理由をつけてあげればいい。
無事に相手につないでもらえたら、丁重事態度に変化しよう。
礼節をわきまえて誠意ある態度で臨むべきだ。
いきなりの電話なので、相手がとまどうのは当然だ。
少しでも、こちらの話に興味を持たせるには、ちょっとした情報を与えるといい。
たとえば会話の中に「好条件で」とか「今よりもふさわしいポジションで」といった相手の興味をひくようなことを、さらつとみせるのだ。
話を聞くだけでも聞いてみょうかという気持ちにさせることが大事である。
乙の電話の最終目的は、実際に会うアポイントをとりつけること。
だからここで長々と電話した背景やら条件やらを話す必要はない。
だいたい時聞にして2分位で切り上げよう。
断られたら「お忙しいところ失礼いたしました」といって潔く撤退することだ。
一度断られたからと言ってずっと見込みがないかというと、そうでもない。
もし脈がありそうだと感じたら、しばらくたってから、再度連絡をとってみてもいい。
もしかしたら相手の気持ちも変化しているかもしれないからだ。
もちろん、二度目も断られたらあきらめよう。
匿名を使う必要はないが、何度も一言う通り、社名は深く秘めなければならない。
担当者の名前が、採用窓口などとしてインターネットの求人情報に記載されていたりすると、そこから会社名が割れることもあるので要注意だ。
相手に会ってもいいという意思が感じられたら、面会の場所と日時を決め、こちらの連絡先として携帯電話の番号を残しておこう。
間違っても、会社の電話番号を教えてはなら面会場所および日時は、相手の都合に合わせることだ。
ホテルのラウンジなどが静かで話しやすく、イメージしやすいが、実際どこでも構わない。
候補者の自宅でも、喫茶店でも、どこにでも応じよう。
プロは商談を装って、相手の会社の応接室で堂々と話を進める。
知り合いに出くわすと具合が悪いが、自信を持って堂々とふるまえば、怪しまれることもないのだ。
アポがとれたら、いよいよ見込み人材との一次面談となる(プロセス)。
採用担当者にとっては最後の大仕事である。
このプロセスでは、相手が転職の意志を持っているか否か、なるべく早く見抜き、意志がある人には当社に転職したくなるよう、巧妙に誘いをかける。
転職の可能性がないとわかったらすぐに引くこと。
この見極めがつくまでは社名は絶対に明かしてはいけない。
相手の意思を探るプロの技は次章で詳しく説明するが、こちら側の情報については、なんとなく推測できる程度に止め、絶対に明言してはいけない。
繰り返すがこれがヘッドハントのおきてだ。
プロはこんな鳳に話を切り出すいざ候補者を前にして、どんな風に話せばいいのか、想像がつかないという方も多いと思うので、簡単に事例をご紹介しておこう。
最初のあいさつは丁重に。
わざわざ来てくれた候補者に対し最大限の誠意を尽くすこと。
次のプロセスに進めたい候補者であれば、転職に乗り気になるよう相手を肯定し、わが社で行ってほしい業務や条件を提示する。
そして意思決定者との面談の約束をとりつけるのが一次面談の最終目的だ。
人間は話していると、ついつい相手に感情移入してしまいがちだ。
コミュニケーションをはかることで相手に対して情がわき、人物評価が変わってしまうことも往々にしてある。
そうならない前に、相手に対する自分の判断を決めておきたい。
あまり長すぎても、お互い緊張感が保てずダレるだけだし、余計なおしゃべりに発展しないとも限らない。
次にすすめたい候補者であれば、残り時間は相手の転職の意志を盛り上げるような話に努めよう。
まずは会社を特定できない範囲で、それ以外の情報、オフィス環境とか、相手が男性だったら「女性社員は美人が多い」とか、くだらない情報で構わないので出す。
相手に一定の満足感を与えるには、内容よりも量の方がポイントになることもあるものだ。
当たり障りのない内容のものでも、候補者がプラスにとらえられそうな明るい、楽しい印象の情報を数多く与えることで、相手はおぼろげながら当社に対して好印象を抱くだろう。
上司や部下の人柄、「社長がいつもボ−ッとしている」とか何でもいいのだ。
おもしろおかしく話すことで、相手の緊張もほぐれるだろうし、本音も引き出しやすくなるだろう。
そして、与えられている範囲で諸条件のカ−ドを切っていくことで、転職後の輝かしい姿を実感をもって考えてもらえるようにすることだ。
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